A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「友香・・・!」


 正気ではないのは、容易に理解することが出来た。
 だが今、確かに蘭の声に反応したような気がした。
 催眠術の類いかも知れない、と、彩は思う。
 蘭は笑いながら、また給水タンクの上に移動する。


「さっきまでの威勢はどうしたの?」
「威勢はあるよ。だけど、あたしの狙いはお前だ」
「お前って言わないで!」


 また、再び攻撃が始まる。
 だがこちらから攻撃を仕掛けようとすると、友香が蘭の前に出るのだ。
 下手に攻撃すると、友香に当たってしまう。
 かといって、彩のスピードよりも、友香が動くスピードの方が早い。
 一方的に攻撃を受ける形になり、だんだん彩にダメージが貯まってきた。


「ラチ開かないな、これじゃ・・・」


 相手の攻撃を避けながら、彩は打開策を考える。
 それには、まず友香を何とかして正気に戻さなくてはならない。
 でもどうしたら。


「友香・・・話を聞けよ!」


 動きを止めずに、彩は何とか友香と接触しようとする。
 そんな彩を、蘭は冷ややかに見下ろしていた。
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