A-YA-KA-SHI☆バスター!!

《action――悠&諒》

　港の埠頭には、倉庫がいくつか建ち並んでいる。
　いつもは釣りを楽しむ家族連れや散歩をしている人達で和やかな雰囲気の港なのだが、今日はどうやら違うようだ。


「よくもまぁ、これだけ集めたもんだ」


　少し感心したように、諒が呟く。
　ざっと見渡しただけでも、三百はいるだろうか。
　埠頭を埋め尽くすような、人の波。
　どれも皆、正気を失っているように見えた。


「みんな普通の人達だな。これじゃ何百人いても俺達の相手にはならないな」


　明らかに殺気を剥き出しにして、こっちを見ている人達。
　だが、戦闘能力は、明らかにこっちの方が高い。
　まぁ、ただ操られているだけのこの多数の人間に危害を加える気は毛頭ないのだが。
　それだけに、対処に困る。
　諒は苦笑する。