A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「諒・・・」
「俺がアヤカシだっての、忘れてたか?」


 諒はこっちを見て笑う。
 彩は、ゆっくりと首を横に振った。


「・・・忘れてなんか・・・ない」


 だけど、諒があまりにもかけ離れた存在になったような気がした。
 その時、後ろから悠の気配を感じる。
 悠もまた、実体化を解いていた。


「先に灯台に向かえ、彩。美樹が待ってる」


 悠は言う。


「分かった」


 実体化を解いたアヤカシ同士の戦いに、生身の人間の自分がいても邪魔になるだけだ。
 そう思い、彩は素直に一歩下がる。


「そうはさせない」


 アヤカシは、真っ直ぐに彩を見据え。
 彩は一瞬、動くことが出来なかった。
 悠に守られなければ、身体ごと消え去りそうな、物凄い衝撃波。
 間髪入れずに、諒が反撃に出る。
 だがアヤカシは、軽々とそれを避けた。
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