A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 防波堤のコンクリートに、激しく打ち付けられる。
 激痛に悶え苦しむ彩。
 それでも、彩は顔を上げ、アヤカシを睨む。


「そうだな。だから我らと人間は、相容れない者なのだ」


 アヤカシは、ゆっくりと彩に向かって手を伸ばした。
 動かない身体でも、視界だけは妙にはっきりしていて。
 赤い光の衝撃波が、アヤカシの手の平でだんだん大きく膨らんでいくのが見えた。


(・・・このまま・・・)


 彩は、目を閉じる。
 このまま、ここで終わるのもいい。
 悠と諒は、もう何処にもいない。


(ダメだよ、彩)


 ふと、彩の身体を暖かいものが包み込む。
 ずっとずっと、生まれた時から一緒の、心地いい空気。
 彩は、ゆっくりと身体を起こした。


(ずっと一緒だったじゃねぇか)


 その右手には、いつの間にか光剣が握られていて。


「諒・・・」


 彩は呟く。
 これは、諒の力。
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