A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「もう・・・いやぁぁぁぁっ!!」


 どうにも出来ない感情。
 この空間が、だんだん毒々しいものに変わっていく。
 両親を、幸せを奪ったアヤカシなんて。
 みんな、消えて無くなればいい。
 何もかも、みんな消えれば。
 こんなに苦しむこともないのだ。


「美樹・・・」


 不意に名前を呼ばれ、美樹は涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げる。


「お母さん・・・!!」


 そこには、美樹の母親が立っていた。


「お母さん!! お母さん!!」


 美樹は母親に駆け寄り、抱き付く。
 懐かしい、そしてずっと欲しかった温もり。


「・・・ダメよ、美樹。あなたも、大事なものを壊すつもり?」


 美樹を抱き締めながら、母親は言った。
 幼児に諭すような、穏やかな口調だった。


「もっとあなたに、ちゃんと伝えておくべきだった・・・いつの間にかあなたは、大人になっていたのよね。物事の分別のつく、ちゃんとした大人に・・・」


 母親は、感慨深く目を伏せた。
 そして再び、美樹を強く抱き締める。
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