A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「心外だな。何故そんな事が言える?」
「何を奪われたのか知らないけどね。あんたの力・・・マイナスの感情を糧にしないと発揮されないんだろ? そんなのおかしいよ。人間は・・・そしてアヤカシも、生きているだけで力があるものなんだ」
「何故、アヤカシを信じられる!!」


 和也は声を荒げながら、彩の喉元にナイフを突き付けた。
 だが彩は、少しも動じない。
 真っ直ぐに、和也を見据え。


「少しは自分じゃない他の誰かを信じてみろよ。そしたらきっと出来るよ、友達ってやつが」
「うるさい!!」


 和也はナイフを振り上げる。
 だが、美樹を覆っている結界が弾け飛ぶのと、彩が和也の顔を思いきり殴り付けるのは同時だった。


「・・・!!」


 勢いよく倒れた和也の手から、ナイフが離れた。
 それに歩み寄り、彩はナイフを拾う。
 そして振り返り。


「お帰り、美樹」
「ただいま・・・彩」


 二人は見つめ合って微笑む。
< 295 / 313 >

この作品をシェア

pagetop