A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「悠も悠だよ。ずっと隠せるもんじゃないんだから、きちんと説明した方がいい。下手に隠したら、美樹がこっちのこと信用してくれないよ」


 一気にまくし立てる彩に、悠は苦笑する。
 と、今まで黙っていた諒が、口を開く。


「俺たちも、アヤカシだ」


 その言葉に、美樹は今度こそ、コーヒーカップを落としそうになった。
 危ういところで落とさずに済んだが。
 この一番のお気に入りのカップ、割れたらかなりショックだ。


「ほっ・・・本当に?」


 カップをカウンターに置いて、美樹は聞いた。


「あぁ、本当だよ。俺たちに実体はないんだ。今は実体化して、人間の姿を借りているだけ」


 少しは否定してくれると思ったのだが、こうもあっさりと認められると、なかなか次の言葉が出てこない。
 後ろを振り返ると、彩は軽く首を振った。


「おあいにくさま。あたしは、れっきとした人間だよ」


 彩は極めて特殊なケースで、人間なのにアヤカシと戦える能力を持っているのだ、と、悠が付け加えて説明する。
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