A-YA-KA-SHI☆バスター!!
『やっと・・・見・・・つけた・・・』


 不意に、こんな声を聞いた。
 腹の底に直接響くような、気持ち悪い不快な声音。
 思わず胸に手を当てた時、人間のようなものが壁を突き抜けて部屋に入ってくる。


「なっ・・・なに?」


 とてつもない重圧感。
 『それ』は、薄笑いを浮かべながら美樹の方へ、手を伸ばす。
 人間で言う手の部分のはずなのだが・・・それは、蛇のように不気味に蠢いていた。
 その時、バシイ・・・っ! と、閃光が走る。
 美樹は思わず、目をきつく閉じた。


「イタズラもそこまでにしとけよ」


 聞き慣れた声。
 目を開けると、彩が目の前に立っていた。
 美樹を庇うように、アヤカシを睨み付けている。


「彩! どこに行ってたのよ、探してたのよ!!」


 思わず涙ぐんで、美樹はその背中にしがみついた。
 だが彩は、肩越しにこっちを振り返り、素っ気なく答える。


「ん? 屋根の上で昼寝」


 それを聞いた途端、美樹はその場に崩れそうになる。
 じゃあ、この一時間ずっと、彩は屋根の上にいたというのか。
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