A-YA-KA-SHI☆バスター!!
(・・・さぁて、どうすっかな)


 いつもなら諒の力は攻撃専門、悠は防御の絶妙なフォローがあることで、何とかアヤカシを退治するのだが。
 彩は二人に比べて各段に、攻撃も防御も弱かった。
 ・・・ざわっ・・・。
 風が、揺らめく。
 彩は身構える。


「お早いお着きで」


 “それ”は煙のように現れた。
 いつかのようにもやもやがだんだん実体化していき、女の姿に固まっていく。


「なぁんでわざわざ美女になるかなぁ!!」


 ムカつくんだよ、と、相手が完全に実体化しないうちに彩は攻撃した。
 同時に、美樹は少し離れる。
 せめて、足手まといだけにはなりたくない。
 だが敵は軽く彩をかわすと、真っ直ぐに美樹の方へ向かっていった。


「てめぇっ・・・!」


 直前で彩がその間に割って入る。
 そして、至近距離から閃光を放った。


(当たった・・・か?)


 一旦間合いを取り、彩は状況を見極めようとする。
 だが次の瞬間、その体が宙を舞った。
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