A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「彩!」
「このっ・・・!!」


 地面に叩きつけられる直前に、彩は体制を立て直す。
 まるで邪魔な羽虫をうざいというように、女の姿をしたアヤカシは冷めた目で彩を睨み付けた。


「もう1回聞くけど。なんで美樹を狙うんだよ?」


 彩が言った。
 その隙に、美樹は彩の方へ駆け寄る。


『鍵・・・壊す』


 アヤカシは言った。
 美樹は意味が分からなかったが、アヤカシが言ったその言葉の意味と込められた殺気に、背筋がぞっとする。
 彩も険しい表情で、女を見ていた。
 そして、女は軽く右手を上げる。


「させるかよっ!」


 それよりも一瞬早く、彩が両手を前に突き出す。
 と、目の前に薄いブルーの膜が出来た。


「きゃぁっ・・・!」


 頭を抱え、美樹はその場にしゃがみこむ。
 だが、女の放った衝撃波のようなものは、彩が作り出した防御壁を突き破った。
 幾分か衝撃は緩和されたものの、美樹の腕に火傷のような痛みが走る。
 それでも視線を上げると、彩は弾き飛ばされて地面に叩きつけられていた。


「彩・・・!!」


 腕の痛みも忘れて、美樹は慌てて彩に駆け寄る。
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