A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「大丈夫だよ・・・」


 美樹に支えられて立ち上がりながら、どうすれば・・・と彩は考える。
 悲しいことに、力の差は目に見えている。


「美樹も大丈夫?」
「わっ・・・わたしは・・・」


 身体が震えて、言葉が出ない。
 さっき受けた腕の傷の、火傷のような痛み。
 美樹は1ヶ所だけだが、自分を庇ったことにより、彩はもっと傷ついているはず。
 それなのに、まだ彩は戦おうとしている。
 戦闘の事が全く分からない美樹にも、この状況が良くない事くらい容易く理解出来た。
 早く何とかしないと、二人とも危ない。
 女の姿をしたアヤカシは、中空に浮かんだまま無表情にこっちを見下ろしている。
 アヤカシはさっき、鍵を壊す、とか言っていたような気がする。
 この流れから行くと、その『鍵』というのはもしかして自分のことなのか、と美樹は思う。
 何を根拠にそんな事を言っているのかは、あまり深く想像したくはないが。
 この展望台から右手に『free‐time』が見えた。


「ねぇ、彩」


 ふと思い付き、美樹は彩を呼ぶ。
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