A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「向こうにしてみればかなり、邪魔な存在ではあるかもしれないね」


 美樹は、思わず息を飲む。
 敵にはもう、美樹の存在が知られてしまっている。
 邪魔な存在である以上、これからしばらく美樹が狙われる可能性がある、と。


「でも、私・・・」


 美樹は困惑しているようだった。


「何も心配ない。普段どおりにしていてくれればいい」


 今まで黙っていた諒が言った。
 でも、美樹の気持ちは晴れない。
 自分だけが、何も出来ずにただ守られているだけなんて。
 彩だってある程度は、自分の能力の事や、悠や諒たちの世界のこと、自分のやるべきことを分かって行動している。
 それなのに美樹はまだ、自分自身のことすら分かっていない。


「ねぇ、あなた達はどうしてそんな風に戦わなくちゃならないの? 元々は同じアヤカシっていう存在なんでしょ?」


 今日はやたらと、美樹は積極的に質問を投げ掛けてくる。
 悠と諒は、困ったように顔を見合わせた。
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