A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「ちょっと話が長くなるけど・・・どうしても聞きたい?」
「うん」


 まだ、夜になるには時間はたっぷりある。
 夜になれば彩はまた起き出していつものように、アヤカシを退治しに出かけるのだろう。
 こんな、怪我をしてまで。
 悠は、仕方ない、というようにため息をついた。


「・・・俺、彩を見てくる」


 諒はそう言って立ち上がる。
 あとは任せた、と悠に小声で言って。
 了解したよ、と悠は肩をすくめた。


「ずっと昔から、何も変わっていないんだよ」


 美樹のほうに向き直ると、悠はそう言った。



☆  ☆  ☆



 本当に、この世界と何も変わらない。
 ただ、美樹や彩が住んでいるこの世界より少しだけ空間がずれている世界。
 悠や諒たちは、肉体という枷を持たない。
 だがずっとずっと昔から、美樹達が存在するこの現実世界と隣り合わせで、悠や諒たちアヤカシも存在してきた。
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