A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「こんな高そうなお店、入ったことないよ・・・」


 という美樹を、


「あたしもだよ」


 といつもの調子で説き伏せ、いーからいーからなどと気楽に彩は店の中に入る。
 今日は平日なこともあり、店内はそんなに込んではいなかった。
 が、周りはやたらとカップルが多い。


「あはは・・・なんか場違い?」
「んなことないって。あたしらお客さまだろ。ここ座ろ」


 どう考えても明らかに場違いなのだが・・・。
 何も気にする様子もなく、彩は一番奥の窓際の席に座った。
 適当にカクテルを頼み、ふと窓の外を見る。
 小さな街とはいえ、高い場所から見る夜景は、なかなかのものがある。


「きれい・・・」


 考えてみたら、こんなにゆっくりお酒を飲むというのも初体験だ。
 それを言ったらあたしも、と笑う彩。


「たまにはこういうのもいいわね」
「だろ? ほら、カクテルきた」


 透き通ったきれいな青色のカクテルグラスを持ち上げて。
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