A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 河川敷には、待ってましたと言わんばかりにアヤカシが中空に浮かんで彩を見下ろしていた。
 彩は、有無を言わさずアヤカシに飛び掛かる。
 表情を変えず、アヤカシは赤い光をその手に集中させた。


『・・・彩・・・!!』


 遠くで両親の声がした。
 どうして。
 こっちに来ちゃダメなのに!!
 両親を襲わせる訳にはいかない。
 そんな彩の思惑を察したのか、アヤカシの視線が駆け寄ってくる彩の両親の方に向いた。
 アヤカシは攻撃対象を彩から彩の両親に変えて、衝撃波を放つ。
 無我夢中だった。
 アヤカシの前に飛び出した彩は、衝撃波をまともにくらい、河川敷の草むらに倒れ込み、動けなかった。
 地面に這いつくばったまま、彩は必死で叫ぼうとする。
 だが、両親には届かない。
 一人娘の非常事態に、ただただ動揺するだけだ。
 アヤカシは再度、殺気をターゲットに向ける。
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