あいしてる
その日から、お風呂は別々に入るようになった。
やけどの消毒も、ガーゼの交換も、彼の目につかないところでやった。
大したことないと思っていたやけどは、日が経つにつれ、見るのも嫌になるほど存在感を増していった。
おへそよりも大きく、目立ってしまう痕。
「まだ治らない?」
消毒を済ませた私に、毎回のように聞いてくる彼。
「治ってきたよ。念のためにしてるだけ」
そう答えることが苦痛になった。
アナタノセイデ―…
そう吐き出すことができたなら、どんなに楽だろう。