あいしてる


「愛してる―…」

そう言って触れる。

暗闇でも彼は、間違えたりしない。


哀しげな表情でそこにキスをする彼の髪を、私は何度も、何度も優しく撫でる。


半年前からずっと。


繰り返される

“償いの儀式”


「もう…いいのに」

そう言ってあげたら、彼は楽になれるだろうか。

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