あいしてる
わざわざ今日話さなくてもいいじゃない。
いつから私のこと騙してたの?
ベッドに放り投げた花束を見ていると、言えなかった言葉が次から次へと浮かんでくる。
冬空の下、ひとり大きな花束を抱えて帰宅した。
あのとき、床に落ちた花束をそのままに店を出た私。
しかし、おせっかいな店員の手によって、再び私の腕の中に戻されたのだった。
なんの罪もない花束がベッドの上で力なく横たわっているのを見ていると、
『あんないいかげんなヤツのどこがいいの?』
いつだったか友人に言われた言葉を思い出す。
「愛してるから―…」
そう、私は彼を愛していた。