あいしてる
「…別れた?」
そう言って動きを止めた親友の口から、火をつけそこなった煙草がポロッと落ちる。
「あーあ。締まりのない口」
あたしはそう言うと、床をコロコロと転がり足元までやってきた煙草を拾って灰皿に入れる。
灰皿の煙草を手にとると、
「いや、もったいねぇから吸うさ」
気休めで息を吹きかけてから、くわえた煙草に火をつけた親友は、
「1ヶ月ももたなかっただろ?」
呆れ顔で煙草のけむりと一緒にため息を吐き出す。
「よくご存知で」
ニッと歯を見せて笑うと、
「だからやめとけって言ったんだ。アホ」
コーラをズズズッと音を立てて飲んだ。
「だってさ、今度こそ長続きすると思ったんだよ?」
首をかしげてみせたけど、こっちには目も向けてくれない。