あいしてる
大きく息を吐き出した親友は、突然、
「…いつまでたってもオレは、…ただのともだちか?」
悲しげな表情をあたしに向けると、想像していなかった言葉を口にする。
「オレじゃ…ダメなのか?」
親友の、真っ直ぐにあたしを見つめる目は真剣そのものだ。
あたしは、自分をこの場所に縛りつけているシートベルトを無意識のうちに握りしめていた。
「だってあたしたちは…」
“親友”だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
そう思っていたのは…あたしだけ?
あんたの気持ちなんて、これっぽっちも気付かなかった。
「もうヤなんだよ。限界なんだよ。…そろそろ…卒業させてくれないか?」
ずっと一緒にいたのに、気付いてあげられなかった。
なんだか怖いよ。
あんたが“男”であることが、なんだか許せなかった。