あいしてる
少しクセのある親友の髪にそっと手を伸ばした。
頭を掻いた拍子についた砂を手で払ってみるけど、あたしの手も砂まみれで、払っても払っても髪についた砂はきれいに落ちなかった。
「だってさ…。考えても考えても…“あんたを失いたくない”……それしか浮かんでこないんだ」
“バカか。おまえは…”
あんたの言葉も、
あんたが吐き出す煙草のけむりも、
あんたの隣でバカみたいに笑う自分も、
あたしは失いたくない。
ゆっくりと顔を上げた親友とは逆に、俯いたあたしの目からは涙がとめどなくこぼれ落ちる。
「この感情が…あんたに抱いてる感情が、友情なのか、それとも…愛情なのかわからない。だから…」
何度も頬をつたう涙を拭うあたしの頭に、親友の大きな手のひらがそっとのせられた。
「教えてよ…。あたしは…どうすればいい?」