ナイトメア
あの日から、彼女のことを忘れたことなんてなかった。
日に日に色褪せていく思い出と、彼女の死によって死んでいく僕自身の世界に、どれだけ嘆いたか知らないけれど。

彼女のいない世界に、生きていたってしかたないのに。僕がいなくなることによって、変わることなんて何一つ無いのに。

それでも命を捨てられないのは、僕が彼女の命を背負っているから。僕が彼女の命を奪ってしまったから。

それを忘れないようにと、僕はまたあの夢を見るのだろう。何度も、何度も。

自身の罪を忘れないように。
彼女の愛を忘れないように。

何度も何度も、何度も。
彼女を失ってもなお、夢の中で彼女を殺すのだ。





(きみはそれをわかって)
(僕の手で死ぬのを)
(選んだの?)
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