君の一番になれない私
少しすると「サンキュ」と言ってノートを返した。
短く返事をして受け取る。
「哲平、お前ずりぃぞ!」
哲平の友達が私たちを見てそう叫んだ。
アイツもやってないのか。
「お前なんか知らねぇよ」
哲平はそう言った後、いきなり顔を私に近付けた。
「俺以外に見せんなよ」
その時の顔にドキッとした。
「夏目ー、俺にも見せて」
「だめ!
李子のノート見ていいの俺だけだから」
「ずりー」
そんなやりとりを見ていて恥ずかしいけど嬉しい気持ちがあった。