続・雪うさぎ~その後の二人のラブラブなお話…のハズ?~

「お姉ちゃん?勇気さん来たの?」

そんなことを考えていた時、部屋の奥からそう言って雅の妹が出てきた。

二人で雪うさぎを作ったあの日に生まれた雅の妹だ。今年で10才になる。

「ああ、里緒?もう準備ができたの?」

「うん。お父さんもお母さんも待ってるよ?
何やってるの。お姉ちゃん達。」

その台詞に、あわてて奥のリビングに向かう。

雅の頬が少しピンクに染まっていたのには、おじさんもおばさんも気がつかなかったみたいだ。

部屋の中にはその存在を誇示するように目立つ位置に飾られた大きなお雛様と、テーブルの上にはチョコレートでこれまた大きく文字の書かれたアレがあった。

……はあぁぁぁぁ。とおばさんに気付かれないように溜息を吐く。

おじさんが苦笑しながら「勇気、悪いな。」と小さな声で言いつつウインクをしてきた。

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