Realtime:kiss
振られちゃったアタシ
「で?奈緒はそれでいいんだ。ってか、ほっぺたの一つくらい張り倒しゃあ良かったのに。
だって、アイツっしょ?
ごめん、クックックッ、何かウケるんですけど・・・」


「だよねぇ、やっぱ、笑えるわ、クックックッ」

・・・

返す言葉が浮かばない。



昨夜、私は彼に振られたんだ。

ちょっと小太りで、ちょっと背が低くて、ちょっと油ギッシュな彼に・・・


基本、私は容姿で男を判断する女ではない。

そりゃあ、初めて会った時、少しは引いたよ?
まぁ、夏だったし?
少しくらいみんなだって、汗かくでしょ?


でも、尋常じゃあない、汗のかきっぷりに引いたよ?
でもでも話してみると、意外と趣味やその他もろもろ私達合ってて、猛烈アタックされたし?

案外大丈夫かもって、OKしたんだぁ。


なのに、なのにぃ!!振られたんだよ、わ・た・し。
本当に信じらんない・・・


で、仲良し子良しの陽子と奈津紀に成り行きで暴露する羽目になっちゃって、今、笑いのネタにされてる訳・・・


「あぁあ、もうお腹痛い。だぁからぁ、言ったでしょ?
あぁいう輩は、己を知らなすぎんのよ。
ちょっと高嶺の花に手が届いただけで、自分はモテるんだ、イケてるんだって、勘違いするタイプだわ、ありゃあ」

高嶺の花って・・・

「そうそう、陽子の言う通りだよ。だいたいアンタが悪いのよ。あんなの選んじゃって・・・
あれならさぁ、うちの課の斎藤の方がまだましだよぉ。
まぁさ?質の悪い虫にでも刺されたと思って、早く忘れることね」



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