Realtime:kiss
「あっこら、てめぇ何しやがる!」


今度は蒼佑が慌てて私の手からお茶碗を取り上げようとする。


「やだっ、こんなに食べれる訳ないじゃん!
蒼佑君がよそったんだからあんたがたべなよ」


私は意地になって、今取り上げたお茶碗を死守すべく、必死になった。


「……はい、お仕置き決定!」


ニヤリと右の口角を上げ、私にそう言った……


はっ!


今あたし、あんたって、言った?

ヤバいかも……



「はいはい、いちゃつくのは家でしようねぇ…

一応ここは公の場、なんだけど…」


陽子が冷たい視線を私達に向ける。


「ふぅ~ん、蒼佑君って、奈緒と一緒だとキャラ、違うんだねぇ…そっかぁ、こんなんなるんだぁ…」


奈津紀は、両手を前に組んで、そこに顎を置きながら、私達二人を交互に見てる。


「俺も初めてかも……こんな蒼佑見るの……」


「先輩、前にもこんな事、あったじゃないっすか!ほら、えぇっっと…」


「奈津紀が奈緒、騙くらかして碕岡さん達に会わせた時でしょ?」


「おっ、さっすが陽子ちゃん、記憶力いい!」




弄くられるだけ弄くられ、食べたかどうかもあやふやな、そんな新社屋一日目のお昼休みであった……



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