Realtime:kiss
奈津紀の声だった……
「仕方ないよ、今は行かない方がいいよ。
それにしても、いったい誰がこんな……」
「……伝えるって、何を?」
私は開けっ放しのリビングのドアにもたれ掛かりながら声をかけた。
「奈緒ぉ…
そんなとこに突っ立ってないでこっちおいでよ」
奈津紀が今にも泣きそうな、でも一生懸命笑顔を造りながら私を見た。
私はそんな奈津紀を見返した。
っ………
「いやぁあああ!!!見ないで!」
奈津紀と陽子の間から見えたそれは……
私はそれに駆け寄ると、ディスプレイのスイッチを消した。
はぁ、はぁ、はぁ…
「奈緒?大丈夫だよ?
あたし達、面白がって見てるわけじゃないから……
分かってる。
これは奈緒じゃない…
あたし達は誰がこんな事をしたのか、知りたいんだ…
絶対やった奴を見つけ出す!」
「そうだよ、奈緒?その為には目を反らしてはいけないんだ。」
訳分かんない……
やだやだやだ!