Realtime:kiss
二人の視線が痛い。


私は新社屋に合流した翌日、後輩から聞いたあの事を二人に話した。


「マジで?その女、誰だか分かんないの?」


「まりちゃんの話だと、多分、秘書課の子じゃないかって…」

「そっか……まぁ、それだけじゃあねぇ……
まさかのお馬鹿トリオの内の誰かかしら….…

奈緒?
碕岡さんに相談しなよ?
…きっと心配してると思う」






結局、なんの打開策も出ないまま二人は帰っていった。


帰り際、奈津紀は申し訳なさそうに伝言を残した。


明日から会社側がいいと言うまで自宅待機をするように、と……



その夜遅くに蒼佑からメールが届いた。


《とんだ災難だったな。

まぁ、俺はあんなモン、信じちゃいねえけど…

それから暫く会えなくなった。

奈緒?

どんな事があっても、どんな事を見たり聞いたりしても、俺を信じろ。いいな?》



私はこのメールを見て、驚いた。




暫く会えない……


なんで?


なんで会えないの?

やっぱり蒼佑も、アレは私だと……


でも、俺を信じろって……











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