Realtime:kiss

ピーンポーン…


ドキッ時計を見ると9時を回っている…


誰?


……私は恐る恐るキッチン横のインターホンに手を伸ばした。



受話器を上げる前にモニターを見た。



なんで?どうして蒼佑が……


なかなか出ないからか、再度チャイムが鳴った。


どうしよう……


会いたい、話したい……



夕べの決心は脆くも崩れそうになっていく。



じっと…モニターに映る蒼佑の顔をじっと見つめた。


そんな顔を見つめていると、思い出したんだ。



『どんな事があっても、どんな事を見たり聞いたりしても、俺を信じろ』




私は無意識に受話器を取っていた……



「はい……」


『奈緒?俺、ちょっといいか?』


「………」



私は無言で解錠した。




しばらくしてまたチャイムが鳴った。


ドアを開けるとそこには愛しい蒼佑の姿があった・・・


「あがっていいか?」


そう言われて私は頷いた。




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