Realtime:kiss
そんな指先をジッと見つめていたら、隣から手が伸びてきたかと思うと私が持っていたカップを取り上げ、テーブルに置く。


蒼佑は私の肩を掴んで自分の方へ私を向かせた。


「奈緒、昨日はほんとにすまなかった。
あんな事言って・・・
正直、今日ここに来たはいいけど、昨日の今日じゃん?
もしかしたら会って貰えないかもって・・・

ドキドキだったんだ・・・

でも、俺の言葉の意味、奈緒はちゃんと理解してくれてたんだな。嬉しいよ、俺・・・」


そう言ってギュッと私を抱きしめる蒼佑・・・



へ?
言葉の意味って?


「喜べよ?
きっと火曜日辺りから出勤OKのはずだぜ?」

なんて耳元で囁く・・・

何がどうなってるの?


「今から専務に会いに行く。
電話したら今日出勤してるらしいんだ、だから…」


「ちょっと待って、蒼佑君の言ってる意味、分かんないよ、専務に会って、どうするの?」


「…は?だから…
例の社内メールの件だよ、おま、自分の事だろう?…」


その後、蒼佑は事の経緯を話してくれた。




< 133 / 266 >

この作品をシェア

pagetop