Realtime:kiss
一旦言葉を切って、右の口角を少し上げて、ニヤリと笑った。


私をジッと見つめていたその瞳は少しずつ下に下がっていく…


え?えぇええぇ?

何なの?

蒼佑の左手がゆっくりと私の胸元に近付いてくる。



ブラウスのボタンに指をかけ、一つ外す。

やだ、こんな話してる最中に、何考えてるの?

でも体は動かない…

ブラウスの襟をゆっくりと開いていく蒼佑の指…



「ここ……奈緒はシミ一つ無い綺麗な肌だ。

けどあの写真に写っていた女のここには黒子があった」


私は蒼佑の視線の先にある自分の胸元に視線を移す。


黒子?黒子があったんだ…


そのまま蒼佑は私の胸元に顔を近づけ、そしてそっと口付けた……


「へっ?」

「……何日会ってないと思ってんだ?
もう限界…ちょっとだけ補給させて……」

そう言いながら私の唇にそっとキスを落とした。



「奈緒にメール送った時、俺は決めたんだよ。
その岡本が言っていた秘書課の女に何が何でも近付いて、尻尾を捕まえてやるって……」



私を抱き締めたまま、蒼佑は言った。




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