Realtime:kiss
「奈津紀!あんたさぁ、私に恨みでもある訳?」
翌日の昼休み、いつもの如く3人で昼食をとりに、店を物色中、私はたまらず奈津紀に食ってかかった。
「なぁにぃ?藪からスティック、きゃ、言っちゃったぁ、一回言ってみたかったんだぁ」
カッチィ~ン
「なつきぃい!」
私は奈津紀の腕を掴み、その場に立ち止まる。
私がこんなに怒っているのに当の奈津紀は空気すら読まず、そのふざけた態度にイライラした。
「ちょっ、奈緒?
アンタ、今日、朝から変だよ?」
陽子がただならぬ私の異変に気付いたのか、奈津紀との間に割って入ろうとした。
「・・・どうしたもこうしたも、奈津紀、なんであんな男・・・」
さっきまでおちゃらけていた奈津紀の表情も、流石に笑顔を消した。
「!・・うそ、奈緒?まさかとは思うけど、蒼佑君になんか、された?」
えぇ、えぇ、されましたとも!
「ねぇ、とりあえず、そこの店、入ろ?」
陽子が指差すその店は、忘れもしない、あの日あのセクハラ野郎と初めて会った店だった。
いらっしゃいませぇ、三名様でいらっしゃいますかぁ?店員に声をかけられ、席に案内された。