Realtime:kiss
久し振りの出勤だった。


すれ違う人は私を見て冷たい視線を投げつける。

分かってはいたけど、結構堪えるんだな、これが…



第一会議室の前で立ち止まる。


大きく息を吸って、ドアをノックした。


『入りたまえ』


この声は、専務?



失礼しますと声をかけ、私はドアを開けた。


っ!!!!!!!!


驚いた、円卓の向こう側には上層部のお偉いさん方がずらりとこちらを向いて座っている。


ドアに近い下座には目を真っ赤に泣きはらした女性が座っていた。



この子、なの?



「さぁ、咲宮君、そこにかけなさい」

専務に声をかけられ、私は言葉に従った。


座れと言われた席の先には部長、課長に、それから蒼佑の姿があった…


「話は言うまでもなく、分かっているね?
今回のこの騒動、そこにいる碕岡君が、君こそが被害者だと言ってだねぇ……」




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