Realtime:kiss
後遺症!?
今、私は消毒液の匂いが漂う部屋のベッドに横たわっている。


あの事件から既に三日が経っていた。


私は浅野さんに突き飛ばされ、後ろに倒れた時、床に勢い良く後頭部を強打した。


暫く意識を飛ばしていらしく、意識が戻った時にはこの病院のこのベッドに寝かされていた…


一時的記憶があやふやで、周りを不安にさせはしたが、今は意識も記憶もハッキリしている。


退院は精密検査の結果次第だそうだ。


あの日、目が覚めた時、すぐ側に蒼佑が居てくれた。


看護士さん曰わく、私が眠っている間、ずっと手を握り、不安げな表情で私を見つめていたそうだ。



コンコンコン…


「…はい」


「どう?今日も変わりない?」


部屋に入ってきたのは奈津紀だった。


「奈津紀ぃ」


毎日退社後顔を出してくれる、有り難い私の親友。


「今日、陽子、用事があるから来れないってさ、あたしもこの後圭吾と会うんで長居は出来ないんだけど…」

「だから、そんな毎日来なくていいって言ってるじゃん」

「ったく、可愛げ無いなぁ…ケーキ買ってきたけど、食べさせてやんないよ!?」

「嘘っごめん、奈津紀大好きっ!ケーキ大好きっ!奈津紀ぃ、許してぇ…」


いつもこんな感じ。



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