Realtime:kiss
ケーキは全部で五つあった、

誰がこんなに食べるのか…

奈津紀はショートケーキとモンブランをペロリと平らげた。


私はザッハトルテをどうにか食べた。


一日中寝てばっかでお腹なんてなかなか減らない。


「さぁて!あたしそろそろ行くわ」


そう言って立ち上がる奈津紀。


「ちょっと、これ、持って帰ってよ」


私はあと二個残っているケーキの箱を指差した。


「あぁああ~それ、いいや。
奈緒食べといて…
あっ、そうそう、蒼佑君、今日は来れるらしいから二人で食べといて、じゃ、バイバーイ!」






午後7時……


面会終了まで後一時間…蒼佑はまだ現れない…


べっ、別に待ってる訳じゃないけど、奈津紀があんな事、言うから…

なんて、嘘。ホントは待ってる。


私は蒼佑を待っているんだ。


あっ、そうだ、飲み物買ってこなきゃ…


昼間母親が見舞いに来たとき、買っといてもらえば良かった…



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