Realtime:kiss
「なっ、なに?…」

「奈緒は色白だなぁ……肌もツルツルして……」

「蒼佑、君?」

いきなりベッドに上がり込み、私は彼に組敷かれる…


両肘で体を支えていたので、上半身は辛うじて起きてはいたが…


「……パジャマ姿もなかなかエロくていいねぇ…」

左手が私の後頭部を捉える。


だんだん蒼佑の顔が近づいて、フって笑った

「腫れもひいてんじゃん、何?
赤い顔して…まさかお前、エロい事、考えてた?」

なんて言う…


「ばっ!ばきゃじゃにゃいにょ!?」

って、また噛んじゃったし!


「フッ、お前、よく噛むなぁ、なんかちっこい子みたいだな」


「なによ!なによなによ!
蒼佑君の馬鹿ぁ!
ってか、早くベッドから降りなさいよ!
こんなとこ、看護士さんに見……ンッ…ンッ…」

「少し黙れば?」

一度離れた唇がそんな事言って、また私の唇に戻ってきた。


久し振りの蒼佑の唇は、温かく、少しだけ、煙草の味がした。




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