Realtime:kiss
「病院のベッドでするのも悪くない、な」

「……はぁ…」

久し振りに与えられた快楽に、私の思考は機能せず、蒼佑の言った言葉の意味を理解しないまま生返事をした。


ビクッ……


蒼佑の右手が私の胸の上で怪しく蠢いた。



「なんて顔してんだよ…やべぇ、なんか俺も興奮してきた…
カーテンしててよかったぜ」


そう言って、再び塞がれる唇。




《間もなく面会時間終了です。間もなく面会時間は終了致します》



館内アナウンスに二人の動きが止まった。


プッ…


私達は暫く見つめ合って、吹き出した。


「ふっ、ケチが付いちゃったし…
でも、奈緒、退院したら覚悟しとけよ?
タァップリと可愛がってやっからな」


右の口角を上げながらいたずらっ子みたいに笑って、そんな事言いながらベッドから降りた。




「じゃあな、奈緒」


チュッ触れるだけのキスを残して蒼佑は部屋を出て行った。



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