Realtime:kiss
「……で?
俺のどんな気持ちが知りてぇの?」


……なんなのよ。

なんでそんな言い方しか出来ない訳?


そんな風に聞かれて素直にいう事なんて、出来ない……

黙ったまま俯く私の肩を不意に蒼佑が触れた。




「……ごめん……」




たったそれだけだった。


その言葉を聞いた途端、私は鼻の奥、喉の奥が痛む。


泣いちゃダメだ、泣いちゃ…

そっか……
私の勘違いだったんだ……


私が蒼佑に惚れているように、蒼佑もそうだと思っていた……



ごめんだって…



今までどんな事があっても、悪かったとか、そんな風にしか言わなかったのに、ごめんだって…



私はもう、ここに居たくない。




蒼佑の気持ちを聞いてしまった以上、私に気持ちが無いと分かった以上、今の私には拷問に匹敵する。


涙を見せてはダメ。


奥歯を噛み締め、私はソッと私の肩を抱く、蒼佑の腕から抜け出して、立ち上がろうとした。



「照れんだよ……
こういうの…今の俺、超テンバってる。
あんな言い方して、ごめん…」



へ?





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