Realtime:kiss
どれくらいそうしていただろうか……



ギュウ~…キュルキュルキュル…


「「………」」


こんなタイミングで私のお腹は、要求をしてくるなんて……


真っ赤になって下を向いていたら、ポンと肩を叩かれ、20分待ってろと蒼佑に言われた。



立ち上がり、奈緒は色気より食い気だなと捨て台詞を残し、キッチンに行ってしまった。


はぁ…

せっかく蒼佑と相思相愛だと分かり、いい雰囲気だったのに、今更ながらに後悔。


でも、ちょっと待って!?


今まで蒼佑は、意思表示することもなく、私にあんな事、してたんだ…


今、私も自分と同じ気持ちでいると分かったんだよね……



嘘…


もしかして、今夜、そういうことになっちゃうの?



きゃあああぁぁあ


両手を頬に当て、首を左右に振りながら、有らぬ想像にふけっていた。


「……お前、やっぱ、病院、戻るか?」


いつの間にか両手にお皿を持ち、私の傍らに立つ蒼佑。


ギクッ……


私はソロソロとゆっくり蒼佑を見上げると、右の広角をキュッと上げ、怪しく微笑んでいた。





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