Realtime:kiss
蒼佑は、一通りの説明をして、洗面所から出て行った。


私ったら……
せっかく蒼佑がわざわざ説明しに来てくれたのに、ドアをぶつけちゃったりして…

はぁ…
そんな事を思いながら、浴室に入った。



お風呂から上がったは良いけど、どうしよう…



このままリビングに戻るのもなぁ、かと言ってここに居るわけにもいかないし…


スゥッと、引き戸を開け、顔だけを透き間から出して、様子を窺う。


「…何やってんだ?」


キッチンからリビングに行こうとしていたのか、グラスを持った蒼佑に見つかった。


ひゃああぁ…


「早くこっち来い」

そのまま、リビング方向に姿を消す蒼佑。


やっばぁい…私が意識してるのバレバレじゃん…

仕方ない、私は観念してすごすごと洗面所を後にした。


リビングに入ると、蒼佑はソファに座っていて、こっちこっちと、その隣をトントンと叩いた。

言われるまま、私は蒼佑の隣に腰掛けた。


私が腰掛けたのを確認

「じゃ、改めて、奈緒?退院おめでとう」そう言って、グラスを私にくれた。



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