Realtime:kiss
「はぁ……ったくお前は……俺はなぁ、奈緒にだけそんなん飲まして自分だけ酒飲むような奴じゃねぇぞ、この馬鹿奈緒!」


そう言いながら頭をこつかれ、私の前にあったグラスを持ち、それを口にした。


「今更だけど、間接、キ、ッス、だな」

右の口角をキュッとあげ、ニヤッと笑って私を見た。

カァっと、真っ赤になるのが分かる。もぉ、蒼佑の馬鹿ぁあ


「もお、変な事言わないでよっ」


照れ隠しにそうは言ってみたものの、やはり、あの言葉が頭から離れない。


「じゃ、直接っつう事で…頂きまぁす」


後頭部を引き寄せられ、私は近付いてくる蒼佑の端正な顔立ちにドキッとしながら、今夜起こるかも知れない出来事に不安になりながらも、彼のそれを受け止めていた。


「…ン…ン…」


段々深くなる蒼佑との口付けに、私はうっとりしていた。


互いの気持ちを確認し合った後だからか、何だかいつもと違う気がしていた。


「…クチュ…ン…ア…ン」


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