Realtime:kiss
やだ、静かな部屋に響きだしたリップノイズが耳に入ってくる。

おまけに、何て声、出してんのよ、私…

流される、どうしよう…


急に恥ずかしくなった。



蒼佑の胸元を叩いた。

少し距離を置かなければ……

「何だよ?苦しいのか?……」

きっと意識しすぎて真っ赤な顔をしてるんだと思う。

返事もしないでただうつむく私…

「疲れただろ?もう、休もうか」


ドッキ~ン…


蒼佑は、私をソファから立たせると、私の右手を引いて、寝室へ誘った。




「ねぇ、一緒に寝るの?」

「嫌か?」

嫌じゃないけど……

寝室のベッドの上の掛け布団を捲り、私は蒼佑に座らされた。

「真っ暗にしても、いいか?」

「へ?」

「……だから、電気消していいですかって聞いてんだけど…」

意味は分かるけど…



「ぁのぉ…やっぱり、出来れば別々に休みたいんですが……
お布団、無い、ですか?」




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