Realtime:kiss
「…無ぇな、ってか、あったとしても、ずっと押入に入れっぱだからな…
きっとカビ臭い、そんなんにお前寝かせれる訳ねぇだろう?俺だってそんなんに寝たくねぇ」


げ、カビっすか…


「何を心配してんだよ」

「べべべべ別に!?あたし、寝相悪いから、蒼佑君、眠れなかったら困ると思って……」

「ふぅーん…まっ、いいや、電気消すぞ」


パチンパチンッ


電気からぶら下がった紐を二回引いて、部屋は真っ暗になった。



ベッドが軋み、蒼佑が隣に来たのがわかる。

「ほら、奈緒もいつまでも座ってないで横んなれ」

肩を後ろにひかれ、私は横になった。


「奈緒?こっち向けよ…」


来たっ!


どうしよう、まだ心の準備が出来ていないのに…


「なぁお!?」


反対の方向を向いたまま、微動だにしない私に蒼佑は、ちょっとおどけた声で言う。


「なぁお?」


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