Realtime:kiss
「…何考えてっか、知らねぇけどよ?
大丈夫、俺はそんなに飢えてない。
告ったその日にお前をどうこうしようとか、思ってねぇから、安心しろ」


そして、蒼佑に抱き締められていた。


チュ…


「お休み、奈緒」


優しい声だった。










蒼佑の家で、既に5日過ごした。


水曜日に退院して、今日は日曜日…


明日から仕事復帰する私は、夕方には自宅に帰っていた。


蒼佑と過ごした5日間、彼は私に手を出さなかった。


そりゃあ、キスなんかはされまくりだったけど、……

いや、あの、そりゃあ?
それだけって事も、無い事もないんだけどね?


でも、一線は越えてはいないんだよねぇ……


在らぬ妄想にふけってドキドキしていた私を、蒼佑はどう思っていたのか。


久々の自宅…


奈津紀と陽子に連絡しなきゃ。


退院日は知らせていたが、その後実家に帰ると言っていたので、多分二人は自宅に帰った私からの連絡を待っているに違いない。


とりあえず、二人にメールを送る。

暫くして、奈津紀から着信があった。


久し振りの奈津紀は、今日も山中さんと会っているらしく、月曜日から出社する事だけ手短に話して、5分程度で電話を切った。


その後、陽子からは連絡はなかった。


別段その事は気にせず、早めにお風呂に入り、休む事にした。


翌日、衝撃的な出来事が私を待っているとは知らずに……

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