Realtime:kiss
うそ……
両手で声をあげそうになった口元を押さえ、山中さんを見た。
ふっと、柔らかく微笑んで、言葉を紡ぐ。
「一連の原因は自分にあるといってさ。
僕は言ったんだよ、責任の取り方は他にもあるんじゃないのかって…
でも奴は……
僕としても、絶対奴が辞めるなんて納得できないし……どうしようもなくて鈴木専務に相談したんだよ。
専務が蒼佑と話して、一旦は辞表を引っ込めたんだけど、なら、どこでもいいから地方への転勤を申し出たんだ」
「…何故、そんな……」
「何故だろうね……
あの時は分からなかったけど…
今なら何となく蒼佑の考えが少しだけ分かる気がする…
これは、勝手な想像なんだけどさ?
蒼佑は、奈緒ちゃんを守りたいんじゃないかなぁ……」
「…言ってる意味が分かりません、山中さん、どういう事ですか?」