Realtime:kiss
「う~ん、そうだなぁ、ほら、蒼佑って、硬派じゃない?特に女性には…

必要以上に喋らないし、だから色々、まぁ敵も多い訳よ。
今回の事も、そんな身から出たって事だと思ってるんだよ、きっと……

側に居る事で余計に君を傷つける、そう思ってんじゃないかなぁ……
けど、何となく、漠然とだけど、そんな蒼佑の気持ち、分かるんだ……

もし、奈津紀が……
今回みたいな事が奈津紀の身に起こったとしたら…僕もきっと、蒼佑と同じ様な行動、取っていたかも……
大丈夫、一年もすればこっちに戻ると思うよ?
週末はこっちに戻ってくるつもりみたいだし」


私は黙って山中さんの言葉をジッと聞いていた…



たった10分しかない、貴重な休憩時間を私の為に費やしてくれた山中さんに深々と頭を下げ、私は仕事に戻った……



別れ際に言われた事…


『きっとまだ奈緒ちゃんに言ってないだろうから…岩手に立つのは29日だよ。
あっ僕から聞いたってのは、内緒だよ?』



蒼佑は私にキチンと話してくれるかなぁ

待ってみよう、蒼佑が話してくれるまで……

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