Realtime:kiss
朝、あんなに動揺して、山中さんに八つ当たりして……

でも、今は大分落ち着いている。


同僚の冷たい視線も、朝ほどではなく、仕事に支障をきたすこと無く、定時を迎えた。



携帯を開き、ラインを打つ。


相手は勿論、蒼佑だった。


《今から行ってもいい?》


絵文字も無い短い文面…


すぐに返信があった。


《電車に乗る前に連絡くれ》


相変わらずの愛想の無い文面…


私はイソイソと駅に向かう。


数分後、駅につくと、蒼佑が改札の向こう側に居た。


右手を上げて、お疲れさんとニッコリ笑った。


私は小走りに改札を抜けると、そのまま蒼佑に抱き付いた。


少し驚いて、うわぁと声をあげる蒼佑であったが、私は蒼佑の背中に回した手に力を込めた。


「なんだよ、どした?」


私の頭を撫でながら優しく声をかける蒼佑。

抱きついたまま、ブンブン首を左右に振った。




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