Realtime:kiss
「っ!!!泣いてんのか?」


驚いた声で私の目を見る蒼佑…


「…ないて…ない、もん」


私はそれだけ言うと、また蒼佑の胸に顔を埋めた。


「何でもかんでも自分一人で背負って、決めて……一言でも、相談してほしかったよ…
馬鹿……蒼佑のバカ…」


私はそう言って、体を起こし、ソッと触れるだけのキスをした。



私の頬を伝う涙を右手の親指で優しく拭う蒼佑に、私はもう一度、キスをした。


唇を重ねたまま、蒼佑は私の脇に手を入れ、そのまま私を蒼佑の膝の上に座らせた。


驚いた私は、蒼佑から離れようとしたが、肩を押さえられ、身動きが取れない。


そして、両手で私の頬を挟み、今度は蒼佑が……







つけっぱなしのテレビの音が遠くで聞こえた。










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