Realtime:kiss
「泊まってくか?」


蒼佑のベッドの上、蒼佑は私を後ろから抱き締め、髪に顔を埋めながら囁く。



そう……



今夜私は蒼佑に抱かれた…



「……そうしたいけど、明日も会社だし…帰るよ……」

後ろから回した腕がギュッとなる。


「…一緒に居たい……」


刹那げな蒼佑の声が頭の後ろから響いてくる。


「…だって……」

だって、休む訳にはいかないよ、会社を休めばまた、どんな事を言われるか…


それは私に対してだけじゃ無い。


今朝の営業の人達の会話が頭をよぎる。



女の為に出世を棒に振る男…



私は蒼佑を守りたい。


だから、どんな事があっても、会社は、会社だけは休まない……


「明日の朝、家まで送ってく、なぁ、奈緒、帰るなんて言うなよ…」



身体の向きを変え、私は蒼佑と対面する形で口を開いた。



「蒼佑、君?

あたし…着替えを鞄に詰めて、明日の夜、また来る。
で、ここから会社に通う。蒼佑が……」


その先は蒼佑に唇を塞がれてちゃんと言えなかったけど、伝わったかな?


「…ン…アン…」


蒼佑は、何度も何度も角度を変え、私の唇を侵触した。


私もそれに精一杯応えた。



「奈緒、俺、俺…」








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