Realtime:kiss
お昼からも私は、がむしゃらに仕事をこなしていった。

あっという間に定時になり、私はそそくさと会社を後にし、蒼佑の家に急いだ。

昨日と同じように電車に乗る前に蒼佑にメールをした。

電車を降り、改札を目指す。

その向こうに愛しい蒼佑の姿が目に入った。

急ぎ足で改札を抜け、蒼佑の胸に飛び込む。

周りの目なんて、気にしない。


「お帰り、奈緒」

「ん…ただいま…」


そして、手を繋ぎ、繋いだ手の指を絡めながら、歩き出す。


「飯、どうする?」

「あまりお腹減ってない、蒼佑、君は?」

「俺?…う~ん、そうだなぁ、またにはハンバーガーなんてどうだ?」


蒼佑の提案で、この駅前にある、ファストフードの店に入り、テイクアウトで持ち帰る事にした。


蒼佑と、こうやって手を繋いで歩くのも暫くは無いんだ…

そう思うと、目の奥が熱くなる。

気付かれたくないから、私は蒼佑にしがみついた。


そんな私を、蒼佑は何も言わずに空いた手でソッと私の髪を撫でた。




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